亀と犬と自転車

今日、夜に犬を散歩していたら

田んぼのそばに亀がいました。

亀は動かなかったのですが、

それが、甲羅にのっていた土が重いからなのか

今は別に動く気がしないからなのかは

少々わかりかねました。

首がどくんどくんと動いていて

そのシルエットで、暗い夜道に何かいる、と思って

しゃがんで見てみたら、亀だったのでした。

犬は亀に興味を持ち、

鼻を亀の頭に近づけると

亀は頭を甲羅にひっこめました。

しばらく、犬はくんくんと

亀を探っていたのですが、

やがて飽きてしまいました。

すると亀が、ずん、と甲羅から頭を出しました。

そんな様を見ていたら

背後で自転車のベルがちりんとなって

それは狭い道でしゃがみこんでいたら

通れないからどいて、という合図だったので、

僕と犬は自転車に道を譲りました。

自転車の人はすこしだけ亀の方を見たけど、

多分亀だってわからなかったんじゃないかなあ。